ジャパニーズ・オールド・マンの後ろ側 Page.1


 あたしは、ライブ等でMCで、その曲について出来た背景とか、どういう気持ちがあったからこの唄を作った、とか言わない方ですね。多少、一番新しい曲です、とか、今自分が考えてる事が反映されてる唄です・・とか、本当に最小限にしておく方なんですけど・・(笑)曲を聞く前にMCで色々説明されたら、何だか嫌ですよね・・(笑)特に、ライブハウスなんかで多いんだけど、唄う前にあらすじ説明しちゃう子っているんですよ(笑)・・もう、これから聞くのに、やめとけっ(笑)って感じで・・(笑)そういう子に限って、唄の方もMCも大した事なかったりすんだけどね・・(笑)
 唄を唄う前に言葉で補足するようだったら、唄の方でがんばって、それを表現できるように努力しろぉぉ、、って感じで・・ハハハ。関係ないけど、よく、小学校の宿題で、「読書感想文をかけ」ってやつで、感想文なのに、自分で感想を綴っていくものなのに、あらすじ書いちゃって終わらせちゃう子いますよね。要は自分で感じたことが一番大切なのに、あらすじだけ述べて終わらせちゃう子っていたなー(笑)何か、MCであらすじ言ってしまうのって、そういうのに近い発想の貧困さを感じるのは、、あたしだけでしょうか・・??

 

 でも、今回、今までどこにも言ってこなかった、曲の背景っていうものを書いていこうと思います。とりあえず、この曲に関しては、ここのHPに掲載されているものだし、デモ音源インストール用に用意してあるしね。これが、他の曲だったら多分絶対背景説明しないと思うし、そういう気も起きないと思うし。だけどこの曲に関しては、あたし、作ったいきさつとか、背景を語ってみようかな、という感覚があるんですよ。「ジャパニーズ・オールド・マン」について。

 

 戦争とか、社会情勢に関して唄う唄っていうのは難しいと思います。一歩間違ったら、傷つく人もいるし、押しつけにもなりかねないし。完全に下調べ間違ってたら、アウトだし。あたしなんかも、そういう観念について押しつけられたら、うぎゃぁぁ、うっとーしー、、やめいぃぃ!になっちゃいますしね。(よく、押しつけがましいように見られてしまうんだけど、あたし、自分が押しつけられるのだぃっ嫌いだから、唄の中で押しつけって、絶対やらないようにしているんです。自分の感覚で判断しての事だけど・・)それは個人の感覚だからまったくもって仕方がないし、違って当たり前だし。下手にやるんだったら、止めておいた方が無難・・。
 とくに戦争は、あたしなんかは昭和40年代生まれですから、あくまでリアルタイムには関わってないし、当時の事を推測して唄うなんて事は、とくにこの「戦争」については、あまりにも大勢の人の命が関わっていた事だから、いちばんやっちゃいけない、と思うんですよね。事実に基づいてやってくんだったらまだしも・・。でも、その時代に関わっていない人間が、いかに知ったフリをして唄を作っても、何処かで嘘が出てくる・・。

 

 たまに、「戦争はいけない」とか、そういう唄あるじゃないですか。額面上いけない〜、だなんて言う事なんて簡単です。だって、戦争がいけないって思ってる人の方が圧倒的に大多数なんですから。一部の特殊な思想を持っている人を除いてはね。いけない、いけないを連発して、そういう簡単に済む問題か?いや、戦争はそうじゃないですよねぇ・・。余りにも多くの人の生き死にが関わりすぎてる。そういう、「戦争反対ソング」とか、あたしはちょっとぉ・・嫌だわぁ・・という感覚があってね。上っ面で言ってくれるな!って感じ・・

 

 そんなあたしが、何故、戦争に関しての唄を唄ったか??これは、本当に危険を覚悟の上でね・・。下手したら、色々、レッテルを貼られかねないし・・。しかし、何故、重い腰を持ち上げたかというと・・

 

 去年、あたし、ご縁があって、沖縄でライブをやる機会があったんですよ。基地反対運動に関わっていたライブだったんですが・・。そういった運動とかに関わってライブっていうものをやった事はなかったし、自分は正直言って、そういった運動に関わる事はそれまでなかったし、音楽活動とそういう運動を結びつけてやる、という方法もあまり好きじゃなかった。(まあ、好き嫌いで言ったら多分今でもそういうのは好きじゃないんですけどね(笑))ですが、その活動をなさっている方々と関わっていくうちに、「運動家」とか、そういったようなものでなく、いち個人が集まって、自然に皆さん、一つの大きな「基地反対運動」という流れに向かっていて、全員が一つの思想なんじゃなく、おのおのみんなちゃんとしっかり自分の考えを持ちながら、「でも、戦争ってやっぱり嫌だよね、基地なんてものは、ないほうがいいよね」っていう所を見ている・・という。
きっかり腹を割ってその方々と話をしたら、そういうのがすごく見えたんですよ。それで、「ミナミさんは、路上でしっかりと見据えてきた唄を唄ってきた方だから、ミナミさんはミナミさんなりの観点で、戦争について話せる事ってあると思うから、是非、現地で唄で対話していただきたいんですよ」って言っていただいて・・そこで、今まであえてやってきてなかった事を、チャレンジする気になった、、というか。。

 

 でも、すごく悩みました。あたしは、昭和40年代生まれだし、きっと戦争に関して語ろうとすれば、ひょっとしたらうすっぺらい物になってしまうのではないか・・色々考えました。でも・・・あたしが知ってる「戦争」は・・・・一つだけ、、ある・・。これは、語り合えるかもしれない・・唄で・・と。

「ジャパニーズ・オールド・マン」の中で唄ってる事は、完全にノンフィクションです。本当にあのまんま、あの通り。(って言ってもあたしの唄は全数ノンフィクションなんだけど・・(笑)あんまり、作り事するの得意じゃないんで(笑))あの唄の「父」は、あたしの父です。大正・・確か、13年だか生まれで、(ちゃんと憶えておけよ(笑))あたしは、彼が45ぐらいの時の子供。自分が唄を唄い始めたくらいの頃(あたしが20才ぐらいの時ですか・・)から、ぼけてしまって、亡くなったのは、5年前か。今生きてれば77才か。うわぁぁ、頑張ってあたしをこさえたのね(爆笑)・・まあ、あたしは兄と二卵性の双子だから、二人分がんばったという事ですか(笑)←しまった、話がそれてきている(爆笑)

 


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