僕はここに居るから　岩に閉じ込められて

長い眠りについた　ちっぽけな貝殻さ

ここは海だったのに　いつの間に海は消え

どこかの地層深く　埋まっているらしい

　

海が静かに凪げば岩場に横たわり

流れが変わるなら　遠く旅に出た

愛おしく思い出す　僕が生きていた頃

水面から差し込んだ　光に憧れていたっけ

　

きらきらと映してた　魚の群れの微笑み

海鳴りの呼び声は　何処へ消えたのだろう

ある日とても静かに　僕の時間が止まった

長い旅の終わりに　静かに目を閉じた

　

僕が死んだことさえ　誰も知らないけれど

この体が好きだった　赤い縞の貝殻

海の底の孤独は　殻が守ってくれた

ここに深く残されて　遠く時代を見つめてる

　

誰か僕を見つけて　想いを馳せるのか

その日までもう少し　眠りにつくよ

誰かそこに居るなら　僕の声に応えて

思い出してごらんよ　君が生きてゆく日々を