あたしにとっての路上観 その1


 最近はどこの街でも見かけるようになりましたね・・ストリートミュージシャン。と、言いつつ、自分は殆ど誰もいない頃からやってきたので、すっかり増えた他の人達は他人事のように、つらつらと眺めておりますけど・・。よく、横浜とか買い物にいった時とか、デパートの前とかでマイクやら、アンプやら大荷物を従えて、やっている若い子を頻繁に見かけるようになりました。


どっちかって言うと、外人さんは最近、減ってきたんじゃないかなぁ・・。新宿にも、そうだな、もう彼も8年ぐらいになるんじゃないかな・・よく百果園の前などでやっているデレクという黒人さんがいて、結構仲良しで、彼がプレイしているのをよくあたしが立ち止まって聞いていて、そしてお金を投げ、彼が通りかかった時は、あたしのプレイを彼が聞いて、立ち止まってお金を投げる、というそんな関係です。彼はベースとサックスか。。それが超人的に巧くて、もう、あそこまでプレイできるのは、変態の域に達しているんじゃないかと・・いうような(笑)プレイしている曲は、カバーなんですけど・・彼のパフォーマンスは、「これは魂入ってまっせ!」っていう感じでね。。あたしも、自分が長丁場路上で唄っているもんですから、そこら辺は非常に敏感で、ちゃんとそういうプレイを聞いたら、「ありがとう」の意味でお金を投げます。


 他は・・まあ、コマ劇場の前とか、多いみたいですけど、あの辺りは人の唄やってる若い子が多くて、たいがい人の唄を唄っていて・・。唄本広げて多人数でじゃれている、という感じですか。(え?随分言うなぁ・・って?だって、あたしはそれ相応の年月人前で体晒してやってきたものですから、そこら辺は厳しいですよ(笑)あたしは、完全に言えるだけの事はしてきました(断言))で、聞かないで言えはしないから、聞いてみたりすると、それが、「レコードを買ってきて、オリジナルを聞いたほうがいい」って人がかなり多いんです。全員じゃないですけれども・・。よく、マスコミ関係の人が、あたしに「ストリートミュージシャン情報」ってやつですか??あくまで噂の域なんでしょうけど・・を届けてくれて、そういうのを聞いたりとか、自分で実際に他所でみかけたりとかするのを、総合して見てみるとやっぱり、コピーやってる人が多い。


 人の曲やるのは1曲2曲だったら、かまわないとは思うんですけど、・・うーん、オリジナル聞いてた方が全然いいのに・・それでギターケース広げて、人のフンドシでお金取ってたりとかしてると、やっぱり・・見苦しいなぁ、なんて思ってしまうんですよ。


「コピー」じゃなくて、自分の魂、情熱、持っている実力などを全てつぎ込んで「カバー」をやるならいいと思うんですよ。でもね、よく、実力がまだついてないのは、発展途上だからしょうがないんだろうけど・・情熱も魂もないような演奏を耳にする事が多いです。残念ながら。それはその人達のやり方の違いだから、あたしは批判する気は毛頭ないけど、少なくともあたしはそういう演奏に評価をする事はないでしょう。そして、あたしがそういうスタイルで、路上をやる事は死んでもないのです。したがって、彼らにあたしはお金を投げる事はないのです。・・・あと、これも良く言われるんですけど、「小遣い稼ぎ?」なーんていう風に言われる事があります。それは、自分の演奏をあの場で聞いて貰えれば判る事で・・(笑)・・小遣い稼ぎだったら、こんなにリスクの高い事してないってば・・(笑)って答えてますけど(笑)


 これは、マスコミ等でずっと言ってきた事だから、言いますけど・・あたし、唄ってて命の危険にさらされた事何回もあって、救急車にも、何度も乗っています。あと、道路占用使用法・・だったっけ?で、おまわりさんにも何回もしょっぴかれてますし・・60回以上かな〜・・?(まあ、この場合は、、始末書クラスのものなんですけどね・・反抗さえ、しなければお泊まりなし(笑))で、そういうリスクを背負って、何でギターケース広げるか?という質問がその次に来ると思うんですが・・(笑)一言で言ってしまうと、自分は、一生音楽をやっていくつもりでいて、それを生業にしていくつもりなんですよ。たとえそれが、稼げなくとも・・。で、それで得た報酬は、あたし、完全に正当な報酬だと思っています。当然、恥じてなんていません。恥じてるどころか、誇りです。それだけの事をしているんですから。額面上稼いでも、稼いでなくとも。


 例えば、実際にお金を投げなくても、言葉で何か言ってもらったら、あたしはそれも正当な報酬だと思っています。一万円札であろうが、一円玉であろうが、同じ報酬。あたしにとっては、かけがえのない・・。だから、他の若い子が一万円ちらつかされて、「長渕やってよ」って言われて、へたくそなコピー曲をやってお金をもらったにしても、あたしは、そういう方法は一生死んでも取らないでしょう。そういう風に言われてお金をちらつかされたら、あたしはギターケースけっ飛ばして、フタを閉めて受け取りを拒否します。唄ってる最中は。(・・これをよその人が見てよく、「こわいねぇちゃんだぁ」なーんて噂を流してるけど、唄ってる最中は、途中で止められないから、そーするしかないのよ(笑))確かにあたしは、他のエッセイでも言ったように拓郎は好きだけど、お金をちらつかされて、彼の曲をやるなんて事は絶対にしません。それは、彼にとっても失礼な話です。自分がこれは、魂がいれられると客観的に判断出来たカバーは、1曲か2曲ぐらいはやるけど・・。


 路上で色々な唄うたいが、まだやり残した事があるのに、唄いたい事があるのに、消えていったのを大勢見ています。そういうのを思い返すと、自分が渡り合っている街に対して失礼な事はしたくないのです。


 実際ねぇ、色々言ってくる人は色々言ってきます。酔っぱらいが、「お前ら、こんな事ばっかりやっていて、いいなぁ〜」とかね。だけど、それは、その酔っぱらいさんは、自分の昼間の仕事中にそんなこと言われたら、絶対あたしは、怒ると思う・・(笑)それは、もう絶対言ってはならない事で。
あと、ついでに、酔っぱらいさん、それを言ったら、あたしだって昼間OLで、寝る時間を削って、こういう事をやりつづけてるんだけど、おっさんにそんな事出来る?なーんて、返してるんですけどね(笑)かわいげないけど、それくらい言ってやんないとわかんないですから、彼らは(笑)・・まあ、でも思うに・・多分自分がそういう事が出来ない、自由に動けない息苦しさを感じていて・・それをぶつけて来てると思いますけどね。でも、そういう言い方しか出来ないのは、可哀想だなぁ(笑)


 ・・最近、街自体の活気が無くなってきて、あんまりないけど、よく、それでからまれたり、バカにされたり、侮辱されたりする時は、よく、飲みかけのウーロン茶のカンを投げたなぁ。それも、当てないように。(これは、あくまで、暴力というのじゃなくて、完全に意志表示ですよ(笑)自分は決して、折れないという・・(笑)やっぱり、そういう気迫を見せていかないと、納得なんてされませんから(笑))・・・でも、たまにそれが相手に火をつけてしまって・・ぼこぼこに暴力で返される事はありますけどね(笑)でも、そういった場合も・・暴力に屈するって、一番悔しいじゃないですか。自分は女だから、力がないのはわかり切っていて、ケンカなんかしたらすぐに負けます。けど、精神的に負けたら、もう、何も残らないというか・・。そこで路上止めたら完全に負け・・というか。だって、やり続けている事で見えてくるものの方が絶対に多いのに、そこでシャットアウトしたら、もう何もそこで見られない。だから、死んでも「負けた!」とは言わない事にしてるんです。だからゾンビって言われるのかぁ(爆笑)・・人間、その事をやり続けていく気迫って大事だと思います。


 たとえ、自分の力がいま一つ足りなくても、気迫が自分の背中を押して、その先を見せてくれる、とか、人に何かを伝えられる、とか、あると思います。あたしだって、最初の1ヶ月は、唄うときずっと、足震えてましたからね・・。音楽活動なんて路上でやるまでは、殆ど皆無だったし。。だけど、やっていくうちに、ああ、気迫とか、誠意とかをもってやっていけば、本当の意味での侮辱する人っていないんだなぁ、、と思いました。上っ面で物事卑屈にとらえて、侮辱していく人っていますけど、殴ったりとかしてくる人居ますけど、でも、本当の意味で「根」のある暴力って無かったもんね。そんなんに屈していたら、いちばんつまらないじゃないですか。


 ・・ああ、ここら辺は書いていたら、長くなっちゃいそうだぁ(笑)・・(充分長いって?(笑))とりあえず、これは、少しづつ追々話していこうとおもいます(笑)とりあえず、その1はここまで(笑)その2以降もあります。自分のペースで話していきます。期待しないで待ってて下さい(笑)ごめんなさい(笑)


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