思い出の街にようこそ その2
あたしはからむ酒は飲まないタイプ。本当だってば(笑)・・・だって前述したとおりすごい嫌いなんだもん。特にね〜、周りの音楽仲間とかがね、シラフじゃ認めあうような話とかしとるんだけど・・酔うとね、・・あたしの音楽とか姿勢とかに・・やっぱり女だから、って面白くない男どもが何人もいたりして・・そこでいきなりつるし上げられたりしちゃうの。いきなり殴ってきたとかそんなのも多数だった。あたしもすんごく可愛くなくて、・・そこで泣き出したりとかしたらきっと周りのお客さんとかからも同情巻き込んで(爆笑)上手くやれたんだろうけど・・いかんせん、やっぱり言われたら黙ってる方じゃない人で。・・さめざめ泣いた所でね、・・もうあたし自体の雰囲気がそうじゃないから(笑)・・同情買えない(笑)・・戦うしかない(笑)
飲んでたビールかけたり、殴り返したり・・でもしょんべん横町の飲み屋っていうのは、歌舞伎町あたりの居酒屋とは違って(笑)・・すぐ横が通路だからね、店内でやばそうになった時はすぐ、横の道へ出てストリートファイト!(笑)ってな感じで・・もう店のおじさんとかが背中つまんで放り出す、という(笑)そこら辺のシステムは良くできてた(笑)・・
なんかどういういきさつでこんなんなっちゃったのか・・たいがいそういう時はあたしは泥酔なんてしてなくて、(←人前で泥酔した事なんて数回しかないのです(笑))当然の事ながら、相手の不条理とかみんな解ってて、なんで責められなきゃいけないのか?(笑)と苛立たしさを感じつつ・・そこでまたわらわらもめてると、余計な酔っぱらい・・ヤクザのSさんあたりが介入してきて、これまた不条理な言い分であたしを責めたり(爆笑)←こいつ何か知らないけどよく人に説教したよなー(笑)下手したら辺りのよっぱらい全員が(爆笑)・・みんな敵だったとか・・(笑)
そういやぁ、昔の男と別れ話してて、からまれたんであたしビールかけて、グラスとか投げつけたような気がするぞこの店で(爆笑)ひゃー(笑)若かった・・それにしてもからまれてばっか(爆笑)
・・・・つくづくも被害者体質なんだなぁぁ、そいでもってまたしても戦っちゃうから、きっとこの人らから見ると可愛くないんだろうなぁぁ・・えっ?なら飲むの止めろって?(爆笑) ・・・それでもね〜、20代前半のエネルギーっつーのは恐ろしいもので(笑)そういうカオスすら、自分の糧にしてしまおうというね(爆笑)・・・今同じ状況に陥ったら、・・時間の無駄なんでほっといて帰るけど(爆笑)当時はね、そういう事一つ一つでも、吸収して逆にパワーにして動けた気がする。
今?今はね・・別に力がなくなっちゃったワケじゃないと思う。ただその頃色々学んだから、あの頃みたいに・・捨てパワーってんですか?(笑)をしなくても自分がちゃんと物事を考えられたり、何かを成し遂げられるようになったんじゃないのかな〜・・・と、思いたい(爆笑)
まぁ、今お話しとるのは10年ぐらい前の世界、あたしが21〜2歳の頃のお話だけど、その頃同じように(笑)奮闘していた女の子がもう一人いて、名前をペコちゃんというのだけれども、その子はあたしより一つ年上で、あたしが唄いだした次の年ぐらいから路上で唄うようになって・・また彼女も男どもにさんざんとっちめられてたけど・・でも彼女なんかはな〜(笑)すさまじい泥酔してたけど・・(笑)でもその後すっごい荒れに荒れまくって(←端から見てるあたしからでも解った・・)・・なんかよからぬ噂を2、3、耳にしたけど・・その後、・・まぁ、その頃たまに唄いに来ていたトミーっていう新聞配達の男の子と結婚して、妊娠したよ〜って嬉しそうな顔しとってておっきなおなかで唄いに来てたけど・・・もうしばらく見てないなぁ。会いたい気もする・・あの時ペコちゃんのお腹に入ってた子供も、もう8〜9歳以上になってるんだろうな。・・ああ、月日の経つのは早い・・。
「きのえ」と「日鶏園」がなくなってから相当経つなぁ。・・あたしも20代中盤ぐらいからは、アルコール漬けの生活が一掃され(笑)胃潰瘍をやり(笑)・・みんながいて楽しいお酒は飲むが基本的にはお酒は飲まない、という風になったあたりから、・・それからたまに飲みに行く時は「鳥園」とか「大黒屋」、「岐阜屋」あたりにお店のシフトチェンジがゆっくりとなされ(笑)・・今に至るワケです。大黒屋のおにーさんは、・・最近飲みに行かないのに(笑)でもやっぱり古くから立ち話する仲だから(笑)・・ついこないだも話したばっかり。・・大黒屋は平気だったのかなぁ?岐阜屋はねー、焼き肉ラーメンがおいしいの。・・決して、衛生状態はよろしくないんだろ(爆笑)・・と推測できるんだけどつい、ね・・食べちゃうの。鳥園はあたしの唄ってる側のほうで・・多分大丈夫なんじゃないかなぁ・・と思うけど・・明日唄う前にどうなったのか見ておかなきゃ・・。
でも、「思い出横町」が焼けちゃって、思い出が焼けちゃったみたい。
本当は、全然・・まだまだ、書き切れてなくて・・さすがにね、11年も横で唄ってたもんだから、ぽっかり穴が空いちゃったみたい。でも、確実に自分の中では、その時代その時代が鮮やかに思い出されて・・思い出はなくなってないのだけれど・・。
少しづつ町並みが変わっても、あたしはやっぱり新宿が好きで、・・ずっと立ち続けてたのだけれど、一番思い出がコアな部分が焼けてしまって・・これからどうなっていくのだろう? あたし自身も何となく・・今年は過渡期だなぁ・・きっと唄ってく唄も変わってくんだろうなぁ・・と、何となくおもっていて、でも・・まぁ当分は、またいつものように、・・初めて出会う人の前なら、「初めまして」って唄って、懐かしい人の前ならば、「久しぶり」、・・新宿を去っていった人には「なんとなく、またつらい時とか、淋しい時とか・・思い出したらでもいいから、またいらっしゃい」って唄ってるんだろうなぁ。それは思ってる。何かが消えても、思い出の中に残ってる街みたいに。
「もし気が向いたなら、思い出の街にいらっしゃい」