他人の幸福・目の前の戯れ(98.8.12)


いつも決まってスカを引くのは

そうねあなたばかりじゃないわ

例えばあたしだって死ぬほど引いたわ

あなたにさらけ出して泣きつきたい程

女だからねたまには胸を貸してよ

泣くだけ泣いたら無理にでも笑ってみせるから

なーんてね・・・とりあえず言ってみただけ

あたしがあなたの腕の中で

泣いた事なんて一回もないじゃない

可愛くないのは解ってるのよ

可愛い女に生まれたかったなんて

実感として無かった、とでも言っておくわ

男どもがあたしに期待してんのは

多分そこら辺の言葉でしょ

だけどあなたが何か気付いてるのは

うすうす解ってる

解ってるからそんな所で

とりあえず止めとくわ

 

いかんせん誰かに全てを

委ねたいなんて思っておきながら

残念ながら甘え方なんてのも知らないみたい

でもあなたになら教えて貰ってもいいかも

なんて遠回しに言っちゃう所が

とりあえずのあたしの不幸ってトコかな

 

あなたの今持つ不幸は何ですか?

それはあなたにとって不幸であたしには

ひょっとして解らないのかもしれないけど

とりあえず語り合うくらいは出来そうね

まあ・・あたしのあまのじゃくな心の本質を

たまにちらりと出すのをあなたが感じる位に

とりあえず今闇の中にいますか?

じゃぁあたしの闇に共鳴するなら

ちょっと開いて覗いてみますか?

そんな時誰かが幸福だなんて

風の便りなど届いてしまうと

何となくヤラレた気分になんのよね

まいったコトに

だけど他人の幸福は

自分の幸福なんかじゃないから

自分の幸福が訪れるまで

眠って待つ事でもしましょうか

もう夜も更けたし

あたしを抱くんだったら今よ?


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