見張り塔から、ずっと(1989)


この耳も塞いでしまったまま 
見開いているのは二つのこの瞳だけ
身動きすら取らぬじまい 
自分で自分の魂をがんじがらめに縛りつけ
ものみの塔から指をくわえながら 
まるで罪人の如く一部始終を見つめてた・・・

 

まるで神様にでもなったような心もち 
下界のもの全てが愚かしく見えた
けれど目の前の壁は己の前にたちはだかり 
手を伸ばそうとしてもこの身がもろくも崩れ落ちそうで
ものみの塔から指をくわえながら 
せめて救いの言葉だけ胸の中で探している

 

吐き出しちまえよ、きっと楽になるぜ 
誰かが吐いた耳打ちがそこら中に響き渡ってる
吐き出しちまえよ、きっと楽になるから 
どす黒い思惑までもこの世界にぶちまけて
ものみの塔から ものみの塔から 
これから生きてゆくのかい?取り残された気持ちのまま・・

 

まるで無責任にこの世に生まれ落ちた時から 
運命という名の元にひざまづき人は祈ってる
本当の悲しみも本当の憎しみも 
本当の戦いもいつもこの体をすり抜けていく
誰もかれも一傍観者で そこで一体何が起きようと
とりあえずどう逃げればいいかだけ
誰もかれも一傍観者 そしてあたしもその一人 
キレイ事を並べ立てながら体の悪魔は笑ってる

 

明日の朝になれば 何もかもが変わっていてくれるさ 
体裁のいい言い訳100万回も繰り返されてきた
汚れきったこの世界に明日など訪れるものかい? 
明日の、明日の・・明日の朝になれば
本当の悲しみも本当の憎しみも 
本当の戦いもそうさ、まだ知っちゃいない
本当の悲しみも本当の憎しみも 
本当の戦いも 実はこれからやってくる事を・・
ものみの塔から ものみの塔から 
魂ってヤツは正直さ、ものみの塔から
ものみの塔から指をくわえながら 
その時はやってきた、ものみの塔から
己の体をひきちぎり、今こそ赤い血を流す時を!

 

・・この曲はB.Dylanの曲のカバー曲で・・ずっと唄ってた曲なのですが・・、詩がアドリブだったので、・・・純正なオリジナルじゃなかったので、「たとえそれが・・」に載せました。


エッセイ目次

ホーム